AR Mobile Viewer

「【ネタ】鬼畜王じゃないランス【R‐15】」
(第0部)[1/1]

[次話][目次][][登録]
鬼畜王じゃないランス




――――あのランスが死んだ。




いや、それは必然かもしれない。元々 人間ってのは脆い生き物だ。

才能限界が無限だろうと、英雄としての素質を持っていようと、死ぬ時は死ぬのさ。

故に必要なのは強運。彼は今までソレが有ったからこそ……今の今まで生きてこれたんだ。


例えばリーザスの王女が遊び半分で浚った少女を救出したり。

カスタムの町で反乱を起こした4人の魔女達に"お仕置き"+αが出来たり。

ヘルマンの侵攻によって墜ちたリーザスを立て直し、何体もの魔人を倒したり。

神に飛ばされ暴れた結果、墜落した"浮遊大陸イラーピュ"から無事に脱出できたり。

ハピネス製薬での事件では誤って殺されたと言うのに生き返る事も出来たりした。


「くそっ……ッ……ヘルマンの奴らめ……」


しかし"今回"は強運には恵まれなかった。今の彼には仲間は一人もおらず満身創痍。

ヘルマンで盗賊生活をしていたモノの、軍隊に成敗され何とかリーザスの国境まで来たのだが……

大きな外傷は無いモノの極度の疲労と空腹と脱水は限界に来ており、彼の人生は終わりを遂げた。


「…………シィル……」


≪――――ガシャンッ≫




……




…………




「ランス、何でアンタがこんな所に居るの?」

「…………」

「倒れてた時は見間違いだと思ったけど、どうしてヘルマンに……」

「……(何処だよ此処……)」


ある日、気が付いたら紫っぽい髪をした忍者みたいな格好をした女の子が起こしてくれました。

何だか意味が分からないまま立ち上がって周囲を見回していると、彼女は俺を見上げながら、
ベラベラと強めに質問を投げ掛けて来るんだけど、そんな事など頭に入らず動転する俺。

どう考えてもオカしいだろコレ……部屋のベッドで寝てたハズなのに何で山の中に居るんだ?

夢にしては凄くリアルだし、意味が分からないんですけどマジで。それにしても可愛い娘だな〜。

しかし何処かで見た事が有る気がする。大分前にハマった有名なゲームの……何だったか……


「ちょっと聞いてるの? ランスッ!」

「(――――ランス? ……って、まさか!?)」

「ど、どうしたの?」

「……君の名前は?」

「えっ? "見当かなみ"だけど……な、何か有ったの? オカしな事 言って……」

「(やっぱり!?)」

「ひょっとして頭でも打った?」

「そ……そうかもしれん」

「そう。だったら もう一度聞くけど、何でランスがこんな所で倒れてたの?」

「その前に此処は何処だ?」

「バラオ山脈。ヘルマンとリーザスの国境よ」

「なるほど」

「じゃあ質問に答えて」

「それは……ヘルマンから逃げて来たからだ」

「ならヘルマンで何をしてたの?」

「盗賊やってた」

「!? ……って言う事は……」

「予想した通りだと思うぞ」

「……自業自得じゃない」

「そうだな」


嘘だろマジかよ……どうやら俺は"鬼畜王"のランスになってしまったらしい。

それは この娘が"見当かなみ"と言うキャラで俺がランスと呼ばれた事で納得が出来てしまった。

彼女との会話からオープニング直後で有る事も間違いない。もう10回以上はクリアしてるしな。


「ならシィルちゃんは?」

「捕まった」

「えぇ〜!? ど、どうして"見捨てた"りしたのよッ!
 ヘルマンの捕虜になったりしたらまず助けられないわ!!」

「…………」

「あっ……ご、ごめんなさい」

「いや、いい」

「ならシィルちゃんは どうするの?(ランスの事だから私と一緒に引き返すとか……?)」

「シィルは……必ず助けるさ」

「でもッ」

「だから"リア"の所まで案内して欲しい」

「り、リア様に? 貴方 何を考えて……」

「頼むッ!」←手の平と平を合わせながら

「!? わ……分かったわよ。でも無理って言われたら諦めなさいよ?」

「ああ」

「……ッ……(な、何だか随分と素直なランスね……逆に怖くも見えるけど……)」




……




…………




俺は"見当かなみ"に案内されてリーザス城へと赴いた。正史通りシィル・プラインを救う為に。

此処から一人で仲間(ガンジーとか)を集めるのも良いけど、リーザスを放って置くと、
いずれリトルプリンセスがケイブリス軍に浚われて"魔王ケイブリス"が誕生してしまう。

地理さえ分かれば魔剣カオスを持ってレベルを上げまくり、ホーネットとの合流でも良かったけど、
ソレだとシィル・プラインとソウルを見捨てる事になってしまうし両立するとしても厳しいのだ。

今の俺には彼女に対する"こだわり"は無いんだが、拷問で死なせてしまうと寝覚めが悪いしな。

さて置き。到着には数日を要したけど、宿に休むと彼女は消えてしまうので特に交流は無かった。

そんな彼女は普通に美少女だったので惜しいとも思ったが、こんな娘をランスってヤツは……

んでもってモンスターは やはり存在した。当然 俺(ランス)の敵じゃあ無かったけど、
レベルは頑張って100以上まで上げておけば生き残れる可能性は飛躍的に上がりそうだ。

だけど俺のレベルはたったの20。旅中で25まで何とか上げたが、見当かなみはLv27→30。

最初は武器さえ無かったので日本刀をブツブツ言う"かなみ"に金を借りて購入したんだが、
旅の終わりに金を返したら目を丸くしていた。あぁ、ランスなんだから踏み倒されると思ったのか。

そんな事は流石に出来ないさ。考えてみれば今の俺は彼女よりもレベルが低いのだから。

リア王女の存在で"今"彼女が俺を殺す事は無いけど、後々の暗殺イベントのフラグは折らなければ。


「ダーリーン!!」

「おわっ!?」

「わざわざリアに会いに来てくれるなんて嬉し〜んっ!」

「ち、ちょっと……離れろって」


……そんなワケで かなみの計らいで、コッソリと"リア王女"との謁見が出来たのだが。

彼女の自室ダケ有って此処にはマリス・アマリリスと 見当かなみしか居ない為か、
リア・パラパラ・リーザスは自重せず俺に凄い勢いで抱きついて乳房を押し当ててくる。

中々の美乳だと感心してしまうが、鎧を着ているのでダメージは無いのはさて置き。

余程嬉しいのかちっとも離れてくれないので腕に手を絡められる程度で妥協するしか無かった。

ハァ……俺は君が好きな"ランス"じゃ無いってのに……でも真実を話すワケにもいかんし……


「今リアと結婚すれば、リーザスの国が付いて来ま〜す」

「……分かった。結婚しよう」

「えっ!? わ〜い、やった〜っ! ダーリンと結婚、結婚なの〜っ!」

「そ、そんな……ランスッ! マリス様も何か言って――――」

「良かったですねリア様……いつぞやの夢がとうとう現実となって……」

「うッ……だ、ダメだわコレは……」

「じゃあマリスぅ! 早速 準備して〜っ!」

「はい、直ちに」

「ダーリンも早く行こぉ〜!!」

「う、うむ」

「あのぉリア様……私は〜?」


でもまあ、こんな可愛い娘と結婚できるんなら良いか〜。性格は好きにはなれないけどね。

だったら夫として更正させて貰うしかあるまい、シィルを救出した後がミソとなるだろう。

そんな事を考えながら絡められていた腕を王女に引っ張られる中、見当かなみは蚊帳の外だった。

余程 嬉しかったのかリア王女は俺しか眼中になし。マリス侍女も感染してたか既に退室している。

されど俺に取っては此処まで世話になった娘だし、引っ張られながらも首だけ其方に向け言った。


「――――かなみ」

「えっ?」

「すまなかったな」

「へっ?」

「もぉダーリン、早く行こうよ〜っ!!」


≪――――バタンッ≫


「あ……あのランスが……わ、私に……謝った……?」


≪すまなかったな≫


「し、しかも本当に すまなそうな表情で……もうッ! 何なのよ、今回のランスはぁ!!」




……




…………




……アレから一週間。

主にマリス侍女によって早急に結婚式が行われ、其処にはリーザスの将軍達の姿は勿論、
カスタムの娘達の姿も有った。特に魔想さんを見た時には感動しました、マジな話で。

でもリアとの初夜(?)は踏ん切りがつかず出来ませんでした。会ったばかりなのに寝れるかよ!!

一応"腹が痛くなったと"か言って誤魔化したけど、逆にリアは構わないとか言って来たさ。

なんと言うドM……されど俺にはそんな趣味は無いのだ。ハーレムは作らないし勘弁してくれ。


『うおおおおぉぉぉぉーーーーっ!!!!』

『リーザス万歳!! リーザス王、万歳ッ!!』


また例の"お披露目"では"ランスらしい発言"をせず反乱も未然に防いだ。

アレだけの戦力がエクス・バンケットに付いた事から、裏で手を引いていた者も居たっぽいが……

それはマリスに黒の軍・白の軍に不穏な動きが無いか調べさせれば旨く治めてくれるだろう。

だとすると今の俺が遣るべき事は……部下達のイベントの消化と、自分自身のレベルアップだ。


「ランス王。何か御指示は?」

「そうだな……リーザス城下で臨時徴収を行ってくれ(安全盆栽が欲しいし)」

「畏まりました」

「ねぇダーリン、早くリアとエッチな事しようよ〜しようよ〜」

「…………」

「何なら此処でも良いよ〜? 他言したら此処の皆は死刑にしちゃうから〜」

「う、五月蝿いな。今はそんな気分じゃないんだよ」

「ぶぅ。メイドにも手を出して無いみたいだし、ひょっとしてインポにでもなっちゃったの〜?」

「そんなワケ有るかッ!」


そんな真面目な事を考えているのに、リアは初夜の時からコレだ。本当に一国の王女なのか?

キスくらいは ともかく性格を何とかしないと抱く気にはならんな〜。俺の為にも彼女の為にも。

さて置き。マリスがまだ用が無いかと目で訴えて来ているので、俺はリアを無視して口を開く。


「リック・アディスンを呼べ」

「はい」


――――マリスが頷くと5分程度で赤の将軍が現れる。かなみが影で動いたんだろう。


「お呼びですか? キング」

「……(ヤベェ、本物だ怖い)」

「キング?」

「あっ? いや……久しぶりだなリック」

「はい。先日は見事な御手前でした」

「それで用件なんだが」

「何でしょうか?」

「"ザラック"と言う男を知っているか?」

「ザラック?」


無名の兵士なのでリックは知らない様だったが、後日 彼の事を調べ上げたリックの口から、
メナド・シセイとは今の所 接点は無い人間だと言う事を聞き、俺は一安心する事が出来た。

よってヤツは問題行動を理由にクビにさせるようにし、コレでメナド・シセイは安心だろう。

……勿論 何故 いち兵士でしかないザラックの事を知っていたのかとマリスに聞かれたが、
一人でリーザス場内を散策した経験を理由に、偶然 役に立たない彼が目に留まった事にした。

戦争で殺してしまうのが一番なんだろうが、メナドが汚されてからでは遅いしコレが一番だよな〜。


「……と言う事で調べて置けよ?」

「ははッ」

「……(じゃあ次はどうするか……)」

「あの、キング」

「なんだ?」

「真に恐縮ですが、一度 私と手合わせして頂きたいのですが……」

「なぬっ?」

「キング程の方との模擬戦となれば、部下達にも良い勉強となるでしょうし」

「分かった……が、少し待ってくれないか?」

「少し?」

「悪いが今はヘルマンの所為で本調子じゃないんだ」

「はあ」

「ちょっくら鍛えなおしたら必ず相手させて貰うからさ」

「!? わ、分かりました。有難う御座います!!」

「うっわあ、リック嬉しそ〜」

「いかんせん彼は剣を持つ騎士としては強過ぎますからね」

「じゃあ行って良いぞ」

「はっ! 試合の件、楽しみにしております!!」


余程ランスと戦える事が嬉しかったのか、リックは軽い足取りで去って行った。

しかし怖かったな〜、流石はリーザスの赤い死神。今の俺じゃ絶対に勝てないだろう。

されど彼に勝てない様では魔人にも勝てない。いずれはケイブリスとも殺し合うんだろうしな……

けど幸い今のランスにはリーザスの財力と正史の2倍の規模の兵力が有るし、
此処はひとつ前者を頼りに鍛錬だ。目標は最低でもリック・アディンに勝てるレベルだな〜。

よって俺は続いてマリスに"総合病院"の建設と不足部下の補充を任せると、
手を振るリア+ウェンディ&すずめを背後に謁見の間を出て進むと、見当かなみを呼んだ。


「呼んだ? ランス」

「あぁ。忙しかったか?」

「"忍者工作"の任務も無いし大丈夫よ。それで何の用?」

「今から迷宮に潜るから付き合ってくれ」

「!? そ、それって何処の?」

「プアーの東の魔物の洞窟だ。2週間を予定している」

「魔物の洞窟……そこそこの迷宮だったと思うけど……」

「リックと戦う事になったし、其処くらいは潜れないと話にならないからな」

「ハァ……アンタの事だし、どうせ断っても無駄なんでしょ?」

「悪いな」

「だ、だから謝らないでよランスの癖にッ!(今は王様だけど)」

「無茶苦茶 言うなよ」

「でも良いの? 王様なのに迷宮に潜るなんて」

「手っ取り早く強くなる必要が有るからな」

「……ランス……(本当はリック将軍よりシィルちゃんの事を……)」

「だが来週には自由都市の"ジオ"を落としたいから、かなみには足にもなって貰いたい」

「そ、そんな事だろうと思ったわよ」


生憎リーザスの将軍の多くは迷宮探索だと役に立たないから彼女のほうが余程 役に立つ。

レイラさんの親衛隊は補正が有ったと思うけど、軍の派遣は大金が掛かっちまうからな〜。

まあ今回の迷宮は鬼畜王最低の難易度だし、2週間も有れば2人でも楽に攻略できるだろう。

手に入るアイテムもメイドのウェンディ・クルミラーのフラグになるから、入手して損は無い。

反面 自由都市の攻略にランスの部隊は出撃できないが、今のリーザスの戦力は申し分ないからな。


「じゃあ、早速 移動の手配をするか」

「それは私がやるわ、ランスは道具の準備をお願い」

「分かった」

「……(ほ、本当に素直なランスね……でも その方が……)」


≪――――ッ≫


互いの話が纏まると かなみは消える。きっと手配が終われば俺が何処に居ても現れるだろう。

そんな俺の武器は"リーザス聖剣"と申し分なく、鎧も最高級なのでレベル不相応の装備だ。

よって"まんが肉"や"世色癌3"でも買い占めるか〜っと思いながら歩き出そうとした時!!


「!?」

「あ、あのお……」

「ん〜っ?」

「えっと……」

「君は もしかして、メナド・シセイかい?」

「!? ぼ、ぼくの事を知ってるんですか?」

「一応 王様だしなァ」

「初めて御会いするのに……光栄ですッ!」

「そりゃどうも」


――――青い短髪の女の子でリーザス赤の副将軍。メナド・シセイが登場した。


「ところで、えっと……」

「何だい? 生憎 俺は忙しいんだが」

「ぼく、さっきの話を聞いてしまっていたんです」

「!? 迷宮の事をか?」

「は、はい! 宜しければ、ぼくも連れて行ってくれませんか!?」

「へっ?」

「かなみちゃんも行くみたいですし、良いな〜っと思って……」

「…………」

「ダ、ダメだったら別に構わないんですけど……」


≪じ〜〜っ……≫


こ、これは予想外だ。そう言えば こんな娘だったんだっけな、メナド・シセイって……

副将軍としての業務は良いのかとか、そもそも何で此処に居るのか等 色々とツッコミたい気分だ。

でも後から聞いた話だとリックを追って来たらしいが、運悪く合流できなかった様で今に至る。

さて置き。彼女の業務の事を考えて断るつもりだっけど、上目遣いの視線が反則なんですけど?

まるで捨てられた子犬が哀願する様な視線……ソレに俺が抗えるワケが無いのは明白だった。


「わ、分かった……連れてってやる」

「わ〜い!! やった〜っ! ……あっ、ごめんなさいッ」

「謝罪は要らないよ。でも足は引っ張るんじゃないぞ?」

「はいッ! 勿論です!!」

「やれやれ……じゃあ、アイテムを城下に買いに行くから付き合ってくれ」

「分かりました!!」


まぁ、メナドは迷宮にマイナス補正が無い数少ない武将の筈だし大丈夫かな?

かなみより才能限界も高かったと思うし、レベルも俺より高い今なら頼りになるだろう。

よってメナドの表情に押される形で許可すると、飛び上がって喜んでくださった。


「(両手に花で冒険ってワケだが……こりゃ前途多難だなコレから……)」

「(王様 良い人みたいで良かった〜。よ〜し、これから頑張ろうっと!!)」


――――そんなワケで鬼畜王の世界の飛ばされた、俺の記念すべき一週目がスタートされた。




●リーザス軍●
ランス   :リーザス正規兵:1000名
レイラ   :リーザス親衛隊:1000名
バレス   :リーザス正規兵:1200名
疾風    :リーザス一般兵:1500名
リック   :リーザス正規兵:1000名
メナド   :リーザス一般兵:1500名
コルドバ  :リーザス正規兵:1200名
キンゲート :リーザス一般兵:1500名
エクス   :リーザス正規兵:1200名
ハウレーン :リーザス一般兵:1500名
アスカ   :リーザス魔法兵:100名
メルフェイス:リーザス魔法兵:300名
(*反乱が起きていないので、戦力が多いです)




●あとがき●
停滞しているランスSSを書く為のリハビリとして書いてみました。恐らく続きません@w@
ちなみに主人公はリアルタイムでプレイした人間なので最低でも31歳以上です。(18+13)

[次話][目次][][登録]