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「[完結]リリカル ふみ☆だい」
(第0部)[1/1]

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※このSSは最低系です。
 タイトルを [初投稿]リリカル二次(タイトル未定) にしようかなと思ったけど流石にやめた。



海鳴市 某年 1月5日 昼前

 高町家での正月の年越し会(集まって紅白を見て飲んで食べて初詣に行く会兼、JS事件後始末完了お疲れ会&六課解散パーティー)が一段落した頃。
 初詣も終わりクロノとエイミィは「八ツ橋」を手にミッドチルダに戻り、両家の実家をこれからまわるとか。
 ユーノはタイミングを同じくして「ひよこ銘菓」を手にスクライアの部族へと向かった。
 エリオとキャロはスバル、ティアナの両名に連れられてナカジマ家に訪れ、その手には「もみじまんじゅう」があったという。
 実は料理が上手いと噂のギンガの正月料理を楽しみにしていた。
 ヴィヴィオは高町家で今頃なのはと一緒に雑煮のおもちと奮闘中に違いない。

 さて、各自が実家や親戚、親しい友人宅をまわり、仕事始めの準備へと向かう中、海鳴市の街中を一人足早に歩くフェイトさん22歳の姿があった。
 六課発足からゆりかご撃墜までの期間より、その後の復興と報告と後始末に利権調整などの方が遥かに時間を要し、気付いたら年単位の時間が経過していた。
 早期に六課から除隊したキャロとエリオに至っては海鳴市の小学校に半年間ほど短期で通っていた程である(しかもそれが終ったのは半年前である)。
 さて、そんなフェイトであるが時折キョロキョロと周囲を伺い、手に持つ待機常態のバルディッシュを気にしている。
 どうやら周囲にサーチャーまで飛ばしているらしく、挙動不審なその様はどう控えめに見ても彼女が普段捕まえている逃亡者……つまり犯罪者のそれであった。

「(ううぅ……誰にも見られてないよね?誰にも見られてないよね?バルディッシュ)」

『Yes,sir』

「(なのはにバレたら絶対怒られちゃうよ……でもでも、しょうがないんだ。しょうがないんだよ。ね?バルディッシュ)」

『………………sir』

「(その『間』は何なのぉぉぉお???一大事なんだよ!本当なんだからね!)」

『………………』

「(何か言ってよバルディッシュぅぅぅぅ!!)」

『……裏切り行為では?』

「………ちがうよ」

 フェイトは口に出して己がデバイスを否定すると、立ち止まってそっとバルディッシュを持っていない方の手でおへその下辺り、下腹部をそっと撫でた。

「大切な……ことなんだよ」

 顔を上げれば、そこにはどこにでもありそうなアパート。
 その2階の一番奥の部屋が、フェイトの目的地だった。
 ここ周囲2kmには、他にフェイトが寄り付きそうな場所は存在しない。
 駅もスーパーも知り合いの家も無い。
 だから、この付近にフェイトが居るという事は、『ここ』に用があるという事。
 なのはやはやてが知ったら怒り狂うだろうなとフェイトは冷や汗とかきつつも、カンカンと鉄製の階段を上がってゆく。
 廊下の先には郵便物がドアのポストからはみ出ている部屋がある。
 長期間留守にしているためではなく、純粋にものぐさで溜め込んでいるだけと知っているフェイトは軽くため息をつきながらもチャイムを鳴らすが……反応が無い。
 あれ?とフェイトは不審に思いながら、こんどはドアをノックしてみる。
 やはり反応が無い。


「(…………居ない?)」

 連絡手段が無くてアポ無しでは来たが……
 いや待て、寝ているだけかもしれない。
 しかし……流石にそれは……
 でもここでおめおめと帰るわけには……
 フェイトの頭が一瞬フリーズしかけるが、今は自分ひとりでは無い事を思い出す。
 そっと下腹部を撫でてデバイスを持つ手に力を込めた。

「(バルディッシュ?)」

『中には誰もいないようです。しかしサーモセンサーで走査した結果、ストーブらしき熱源を確認』

「(ストーブがついてるって事は……すぐ帰ってくるよね。バルディッシュ、魔力偽装結界お願い。もしなのはが私を探してもバレないように)」

『sir…………ハァ』

「(何でデバイスなのに『溜息』ついてるのぉぉぉぉお??)」

『彼に会うのはマスターの未来にとってプラスになるとは思えません。考え直すべきでは?』

「(どうしても私は彼に会わなくちゃいけないの!必要なの!解るでしょう?………バルディッシュには……理解して欲しいんだ)」

『……sir』

 その時、かんかんと鉄を叩く音が後ろから聞こえてきた。
 階段を上がる音、なんとなく解る、彼だ。
 フェイトが振り向くと、果たしてそこに目的の彼は居た。

 今、自分は自然な笑顔で笑えているだろうか。




「あれぇ?フェイトさんコッチ来てたんだ。あけましておめでとーございます」

「うん、おめでとうケーイチ」


 背は170cmジャスト程だろうか、やや細めの体型に肩まで伸びた黒髪。
 焦げ茶の瞳は、よく見れば右目の方がやや赤色が強い事に気付くだろう。
 かれこそがフェイトの目的地であるアパートの住人、春原圭一(22)である。
 言うまでも無く、彼こそが『ふみ☆だい』転生者だ。


「態々悪いね新年の挨拶でこんな遠くまで。あぁそうか、ミッドじゃ年賀状も遣り取りできないしな」

「ううん、いいの。っていうか私、ここの住所知らないし……」

「たはは、そういやそうだ。俺も教えた記憶ねぇや。初詣はもう行ったのか?」

「大晦日の年明けすぐにね。ケーイチも来ればよかったのに。みんな居たよ?」

「いや、今知ったんだが……」

 お互い、言葉を交わす。
 この寒空の下、部屋の外で。
 ケーイチは彼女が何の目的で『ここ』に来たか、何となく気付いていた。
 それをやんわり拒否するように、彼の口からはある言葉が出ない。
 『寒いしちょっと上がっていくか?』
 その言葉が。

「あ、そそそそうなんだ!てっきりなのはが連絡してるのかと」

「いやぁ、多分高町さんもそう思ってると思うんだよなぁ。パターン的に」

「あれ?ユーノとかクロノとかとも仲良くなかったっけ?」

「アイツらはケータイを持ってねー。そして俺はリンカーコアを持ってねー」

「あ、なんかごめん」

「いいんだ、空を飛びたいと思った時はあったけど。高町さんが叶えてくれたし」

「え?なのはが?ちょっとそれ私聞いてないんだけど」

「あー、いつだったかな。小学校の真ん中くらいの時だったか?こうバンザイした俺の手を高町さんが掴む形でさ。いやあの時は空を飛んだ感動よりも『この手を放されたら死ぬ』ってシチュの方が怖かったワケだが」

「そ、そうなんだ……クシュンッ!」

「おいおい大丈夫か?」

「うん……あの、さ……ちょっと中に入れてもらっても……いいかな」

「ッ……あぁ、いいぜ」

 フェイトから切り出す事でようやくケーイチは了承し、鍵を開けてドアを開いた。
 ストーブによって暖められた空気が逃げぬうちにと、2人はさっさと部屋に入る。

「ネスカフェのプレジデントと紙パックの甘酒をチンするかの二択になるけどどっちがいい?」

「チンで!」

「なんかエロイな」

「あわわわわわ!」

『落ち着いてください』

「全くだよ!」

「どうした?」

「ううん!」


 ケーイチは冷蔵庫から円柱状の紙パックの甘酒を2つ取り出すと、ぺりっとふたを剥して電子レンジに投入した。
 ヴン…とオレンジのライトとともに回転を始めるトレイをぼんやりと眺めるケーイチの横顔を眺めるフェイトの顔は、どうしてかどんどん赤みが増していく。
 本人も火照っているのが自覚できているようで、それがさらに赤みに影響を及ぼしているようだ。
 やがてチン、と小気味良い音と共に加熱も終わり、ケーイチはタオルで巻いた紙カップをフェイトに手渡した。

「ほら」

「あ、ありがと……」

「顔赤いけどホント大丈夫?高町さんち連絡しようか?」

「な、なのはの連絡先しってるの?」

「え?うん。多分財布の中に翠屋のレシートあるし」

「あぁ、そっちかぁ」

「何が?」

「いやなんでもないだけど」

「っていうか高町さん地球で使える携帯持ってないんじゃないか?」

「あ、そっか……」

「そういやアイツ彼氏とか作らないのかね」

「えっ、どうだろう。娘はできたけど」

「え?式の招待状が来てないのは置いとくにしても翠屋の年賀状にもそんな事書いてなかったぞ。相手は?」

「いないよ、養女だから。っていうか翠屋から年賀状って来るんだ」

「幼女なのはわかってるよ出来たの最近だろうし。月イチのメールマガジン配信で来るんだよ。見せると10%引きになるんだぞ」

「いやうんごめんちょっといろいろ待ってね、そういえばJS事件の話とかしたことなかったもんね」


 フェイトは話せる範囲でJS事件の話を……といっても重い話を避けたので身寄りの無い犯罪被害者の子供を引き取った、のような表現になったが。

「そうか。ちなみにメルマガの配信は高町さんの親父さんがやってるぞ。レシートについてる二次元バーコードを読み込んで空メールを送信すりゃいいんだ」

「ごめん、私ケータイ持ってないから……」

「そうか、すまん……」

 あ、ダメだ。
 このままじゃ雑談して終っちゃう。
 律儀に座布団の上で正座していたフェイトは膝の上でぎゅう!と拳を握り締めると、勇気を出して用件を切り出した。

「あ、あ、あのさ、ケーイチ」

「んぅ?」

「そ、その……ね?アレ……シて……欲しいんだけどさ」

「え゙ぇ?」


 今までの和気藹々とした雰囲気から一転、一気にケーイチの機嫌が悪くなった。


「もうしない……あれっきりだって約束だったろ?」

「でもでも、私もう明日にはミッドに帰らなきゃいけないし、体の事だし、こんなのケーイチにしか頼めないし」

「俺以外にんなヤツいねーだろうけどさ……居たら代わってもらうわホントに」

「そんな事言わないでよ!私……私ケーイチだから頼めるんだよ?」

「クソ、解った、解ったよ……おい待て、何故サイフを出す」

「え、だって前に『次は金取る』って」

「バカお前それはお前らがここに通ったりしないためで……って万札3枚とかリアルな金額をしまえ。取らねぇよ金なんて」

 ケーイチはひとつ大きな溜め息をすると、観念するかのように首をひとつ振り立ち上がった。

「布団しくからちょっと待ってろ。流石に床じゃその……痛いしな」

「う、うん」

 マットレスを敷き、敷布団を敷き、シーツを掛ける作業をフェイトは両手で持った甘酒を何度も持ち替えながら見ていた。

「(うぅ……キンチョーしてきた……私今きっと顔まっかだよ……)」

「ね、ねぇ」

「んー?」

「靴下は脱いだほうがいいかな?」

「どっち答えても八神にイジられそうだからどっちでもいい」
 
「言わないよ!」

「そおかぁ?ぽろっと言っちゃいそうだけどな。『えっ、ケーイチは靴下はいたままがいいって言ってたよ』とかさ」

「言わないったら!……けど上着は脱ぐね?」

「だから報告はやめろ生生しい」

「乙女心なんだよ!」

「ここ来た時点でドブに捨ててんじゃねーか」

「泥の中でも光り輝くんだよ!」



 敷き終わった布団にフェイトは後一歩の所まで近づく。
 この一歩を踏み出せば、もう取り返しのつかない所まで自分は行ってしまうだろう。
 ごくりと唾を飲み込み、右足を…………


「あー!フェイトちゃんが抜け駆けしてるっ!!!」

「なのは?!」


 二人が振り返れば玄関には、仁王立ちした高町なのはその人の姿が!!




「フェイトちゃん……何で?何で私には教えてくれなかったの……?フェイトちゃんはケーイチくんの時はいつもそうだよ……私、悲しいよ」

「ち、ちがっ、違うのなのは!」

「ずるいよ!フェイトちゃんばっかり!私だってケーイチくんの事踏みたかったのに!

「ごめんね、ごめんねなのは、でも私、正月のお料理がおいしすぎて……」

「うん、わかるよ。私も一緒だから……だから、ね?フェイトちゃん。一緒に踏もう?」


「おいやめろ」



 春原圭一、彼は『踏み台にされて踏み台昇降運動をされると相手の脂肪を効果的に燃焼させる能力(1kg/600sec)』を持つ転生者である。
 そんな彼の部屋に、青い楕円形の光がみ゙ょーんと突如出現すると、中からはなんとエイミィの姿が。

「けー君おっひさー!お年玉上げるからちょっと踏ませてね。後で義理母さんも来るか……ら……あ、お楽しみ中だった?ごめんね」

「断じて違う!俺はただ……踏まれそうになっていただけだ!」

「うわっ二人ともそういう趣味だったの?ちょっとクロノ君通してユーノ君に相談してくるね」

「ちょ、エイミィさんも同じ要件でしょ?!レイジングハート!今の会話録音してたよね?」

『証拠はバッチリです。sir!!』

「フェイトさん、あそこに居る犯罪者を君は逮捕すべきだと思う」

「えっと……今、オフだし?」

「絶望した!お役所仕事に絶望した!!」


 み゙ょーん


「やっほー!あけましてはやてちゃんやで!!早速やけどけー君にお年玉やで。なんとはやてちゃんに踏まれるっていうご褒美を……あ」

「主、仕事始めのパーティーに着ていくドレスが入らないからといって春原を踏むのはやめてください!確かに守護騎士はいくら食べても太りませんがその男は私の彼氏です……む」


「「「「…………………………シグナム今何て言った?」」」」


「よし、とりあえずお前ら帰れ。シグナムは俺と初詣行こう」

「すまないが初詣は主ともう行ってしまったんだ」

「俺の初詣に付き合ってくれよ。別に何度行ったっていいじゃないか。そんで出店でなんか食べよう」

「そうか…………ならば和服に着替えてこよう。せっかくだからお前に見せたい」

「待った!シグナム待った!!え?どういう流れなん?これどういう流れなん?最近のオリ主ははやてちゃんラブがデフォやろ?」

「私だって人気あるんだよ!」

「はいはい結局妹ポジションから出られないパターンな」

「そんな事……ないもん」

 草食系なんて……と崩れ落ちるフェイト。

「わ、私は?家は遠いけど学校ずっと一緒だったんだよ?!」

「いや、大学卒業前にして中学校までの同期とか今更……」

「うわぁぁぁぁぁぁん!!」

 中卒とか痛いとこ突かないでよ!となのはも崩れ落ちた!

 ピンポーン

「これ以上増えんの?!」

「おいまて八神、愛人が次々見つかったみたいに言うな」

「そうです主はやて、春原圭一の女は私シグナム一人です。それ以上もそれ以外もありえません」

「ぐぎぎぎぎぎ」


 どんどんどんどん!

「ハルハラ居るんでしょー?!ちょっとすずかも居るんだけどさ、その……お礼はするから!!」

「アリサちゃんとすずかちゃんまでー?!」

「ちょ、何で知っとんねん」

「八神が一昨年のバレンタインに酔っ払ってバラしたんだろーが!!」

「てへっ」

(男女比は)ハーレム end



フェイトが脱ごうとしていたのは少しでも踏んだ時に軽くなりたいという乙女心ですがそもそも重くなったからケーイチの部屋に来たんじゃんっていう。


シグナムかわいい。








 み゙ょーん


「ハルハラさん!来週エリオ君とデートに行くんですけど!」

「キャロちゃんまで?!」

「ちょいまち、それは流石に頼まれたからって犯罪やで」

「ふざけんなキャロがお前らみたいなドロドロした要件で来るわけないだろうが」

「あれ?キャロそのノートどうしたの?」

「はい!私が持ってる服のリストです!」

「デート用に組み合わせのコーディネートしてるんだよ」

「最近オサレだと思った!」

「あれ、シグナムも最近休日オサレやよね?」

「よく春原と買い物に行きますから」

「ちょ、私の分も買って!」

「シグナム!これ以上収集がつかなくなる前に逃げるぞ!」

「承知!」

「あっ逃げたー!」

「エイミィ!たのむで!」

「ビンゴ!見つけたよ!」

「追えー!」


リリカル ふみ☆だい 終劇

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