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「悪役エミヤ ― ダンボールの魔術師【士郎崩壊モノ】」
(第0部)[1/1]

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プロローグ『トリーズナーシロウ』





煉獄……





そこはまさに煉獄だった。











でも、ぶっちゃけ原作通りなので略することとする。てへっ☆













俺の目が覚めたとき、そこにいたのはうさんくさいおっさんだった。


「やあ、目が覚めたね」


……知っている。見たことがある。

それは、あの地獄から俺を救い出してくれた笑顔であり、『助かってよかった』と、漆黒の太陽の照る中で、唯一白い太陽のように輝いていたモノであった。


「君の名前は?」

「シロウ」

覚えているのはそれだけだ。兄弟? 親? そんな記憶は無いが、その名前だけが脳のメモリーの奥底に、今にも削り取れそうなぎりぎりの状態で焼きついている。



「シロウ君か…」

と、そいつはうんうん、と頷いたあとで、

「シロウ君は、このまま丘の上の協会に保護されるのと、見知らぬおじさんと一緒に暮らすのだったら、どちらがいい?」

そう問いかけた。

「俺は……」

きっと、同じだろう。どちらに行ってももはや、何も残っていない自分にして見れは違いなど無い、と本能的に理解している。

なら、このおっさんが誰なのかを聞いてからでも遅くはあるまい…。

「…、おっさん、あんたは、誰だ?」

「んー、難しい質問だね、それは」

と、そいつは苦笑して見せた

「正義の味方…にはなれなかったし、そうだなぁ……」

しばらく答えを求めるように視線を中空に彷徨わせたあと、ぽんと手を打ち、笑った。

「通りすがりの、ただの魔法使いさ」

その笑顔は何かを吹っ切ったような顔で、そして喜びに満ちていて…

「シロウくん、僕の家に来るかい?」

その笑顔は、命を祝福する笑顔。―――心からの本音であることなど疑いようも無い。



俺は、その全てに慈悲を与えんと言わんばかりの笑顔をじっくりと認識した上で―――その感情が脳裏に染み渡り、純粋な喜びを知り……。





「チェンジ!」


ムカついたので断った。












「…そうか。なぜだい?」

当たり前だ。こいつは今、上から善意を俺に押し付けようとしている。

本当に善意だけなのか否かだなんて関係ない、何が慈悲だ、何が生きててくれてよかっただ、俺は俺だ。

何が起きたって、たとえ今まで生きていた全ての証拠が焼き尽くされようが腐り落ちようが、俺は俺以外のナニモノでもなく、俺自体は自立したひとつのモノだ。

「慈悲だぁ? 希望だぁ? そんなものはどうでもいい! 俺は俺であり続ける限り、俺の身内以外に頼るなんてこたぁしねぇ!」

「しかし……、君のご家族は既に…」

「なら、俺一人が責任負ゃーいい話だろうが」

唖然としたおっさんの顔がたまらねぇ!

「家族だなんだ、そんなものに支えられなくたって、俺にゃぁ足がある! なら立って、生きていけねえ筈ねぇだろうが!」

「いや、しかし……、それでは教会も……?」

「おうよ!」

くっくっく、あんだけ吹っ切った顔してたおっさんが慌てふためいているのを見るのは、またカクベツな思いだ。


それだけ言い捨てて、俺は走り出した。そう、走り出した先は自由―――、焼け落ち、ボロボロになった更地。



いうなれば、そこは期間限定の、冬樹に突如出現した無法地帯―――ロストグラウンドであった。






















つづく。できれば固有結界を書くまでは。














あとがき

今日、気がついたら友人に対して段ボールの素晴らしさについて熱弁していました。
そして私は言いました。「さあ、どれだけ段ボールが素晴らしいかわかったか〜ぁ? わぁかっったら段ボールを崇めぇろぉ! 祭壇とか作って、毎日三回、生贄とか捧げて崇めろ!」「段ボールでローアイアス作ればきっと最強になれる!」と。

そんな中で受信した電波がこれです。三話ぐらいで完結するでしょう、恐らくは。たぶん。運がよければ。
途中かなり端折るとは思いますが、気にしないでください。

 ※嫌に適当な几帳面さ故に、あんまり飛ばせない性分なことに気づきました。適当に続きますので、どうかごにゅるり(粘性)とお楽しみください。


あと、書いてる途中で士郎くんの脳内声優が保志さんに変わってしまいました。不思議ですね。

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