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「【短編】ルビスの願い(小説ルビス伝説)」
(第0部)[1/1]

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 私が精霊神になってから、いったい、どれくらいの時間がたったのでしょう?

 一瞬のようで、とても長く感じます。

 その間、私はずっと待ち焦がれていました。私の一番愛しい人、もう一度出会いたい人。

 ディアルト、いえ、ロト。

 私たちの故郷イデーンにおいて、私は火を司るカリクティス家の当主候補、あなたは大地を司るコリドラス家の先代跡継ぎと地上から来た人間の女の間に生まれた異端児。

 家から疎まれていたたあなたは、しかし、自由の翼を持っていた。ラーミアという翼を。

 将来を決められ、家に嫌気が差していた私にたくさんのものをくれたあなた。

 一度はいなくなってしまったけど、また私のところに戻ってきて、私と婚礼をあげてくれたあなた。

 イデーンが崩壊する中、あなたを殺そうとした大地の当主ダトニオイデスがブラックオーブによって真なる魔王と成り果て、それを倒すために私を残し、その命を燃やし尽くしたあなた。

 ずっと見守ってきた。あなたが再び生まれる度に。あなたが再び闇の力を打ち破らんとする度に。わたしはずっとあなたを見守ってきた。

 あなたはそれからも何度も私と出会ってくれた。あなたは覚えてなくても私は覚えている。たとえ名が変わっても、その横に共にいるものが私でなくても、私は覚えている。

 あなたの顔を、あなたの声を、あなたの心を。

 アレフガルドの闇を打ち払うようにあなたと話したこと。

 大魔王ゾーマに、生まれ変わったダトニオイデスに封じられた私を救い出してくれたこと。

 異魔神を倒したあなた、アルスと出会ったこと。

 そのどれも嬉しかった。たとえ短い間でもあなたに再び出会えたことが。

 でも、あなたは酷い人。私はこんなにもあなたのことを思っているのにあなたは私のことを覚えていなかった。

 「お願いです、私を思い出して下さい」と言ったのに。

 アレルという名前のあなたも私のことを覚えていなかった。

 だから待つことにしました。だから約束しました。あなたの子孫に恩返しをすると。いつか、生まれるであろうあなたに巡り合うために。

 そして、あなたはゾーマを倒し世界に光を取り戻しましたね。かつて私の命でこの地に降り立った者たちが作り上げた神具を用いて。

 それから再び時がたち、今度は異魔神に立ち向かうあなたと一緒に私は旅をしました。

 あなたはアルスという名で、私はティーエという小さな小妖精で。お互いなにも覚えてませんでしたけど、辛いことも悲しいこともあったけど、一緒にいて嬉しくて幸せだった。

 そういえば、ティーエは昔の私に似ている気がする。勝気でわがままで、いえ、私の願望がそうしたのかもしれない。

 かつて家に縛られるのが嫌で自由に憧れていた私が、ただ一人の女の子としてあなたと出会いたかったという願望が。

 そして、今だから告白しましょう、あなたが私に対して、抜け殻となってしまったティーエを生き返らせるように頼んだときは、嬉しさと、私が愛するあなたと共にいられないのに、あなたと共にいられるあの子に私は嫉妬していました。

 ごめんなさいティーエ。でも、許してくれますよね。あなたは私でもあるのだから。

 それから、あなたとティーエは旅立ちましたね。たった二人で世界へ。

 あの子はきっと幸せだったでしょう。だって、あなたと共にいるのだから。









 そして、また長い時が立ち、大地も人も変わり、いつしかあなたの名も、あなたの伝説も失われ、それでもあなたは生まれ、戦い続ける。

 闇の力を打ち払い世界に光を戻すために。生きるために、愛しいものたちを護るために。そして……いつか私と出会うために。

 ねえ、ロト。私はあなたを見守り続ける。あなたを待ち続ける。

 だから、いつか、ブラックオーブの呪いを解き放たれたら、魔王がいなくなったら、この世界が本当に平和になったら、男と女としてもう一度私と出会ってね。

 私を抱きしめてね。

 いつか……





〜〜〜
二次ファンがなくなってしまうので緊急避難してきました。
聖霊ルビス伝説はすごく印象に残っています。
のでついこういうものを作ってしまいました。

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