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「GS美神 運命変更大作戦 注オリジナルキャラ有 リポート1」
(第0部)[1/1]

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午後6時。
東京のとあるボロアパートのイカくさい部屋で一人の少年、横島忠夫がテレビを前に
興奮していた。
DVDプレイヤーの近くにおかれたケースは、どう見ても18歳未満は閲覧禁止のシロモノであった。
いまその中身をデッキに、というところでドアを叩く音が聞こえた。
「チクショー。誰だよ」
悪態をつきながら、トランクス一丁の横島は扉へ向かい、開いた。
「すみません。横島さんのお宅でしょうか?」
横島の視界に入ってきたのは17〜18歳くらいの男であった。
濃い緑色のコートを着て、ジーンズ姿。ちょっと変な服装センスだが、髪型に比べればなんでもない。その男の髪型は前髪から2本の角があるように癖があり、寝癖なんじゃないかと思うほどであった。
「そうだよ。俺が横島だがなんかようか?」
イカれたような来客を相手に一応答えた横島であった。
「実はあなたに話があってきたんですがよろしいですか?」
変な来客であるが、危険はなさそうなので横島は承諾した。

「手短に言います。今から30年後、神魔のバランスが崩れて戦争が始まります。
そしてその戦争に終止符を打てるのは横島さん。あなたしかいないんです。
しかし、未来の横島さんは戦いの5年前に霊基構造が崩壊して消滅してしまっているんです。そこで、その原因となった事件を未然に防ぐために横島さんを連れて過去に戻るためにここに来ました。」
「は?おいおいどーいうことだよ」
横島が信じられないのも無理はない。いきなり未来の話をされても、誰も信じられないし、神と魔の戦争なんて誰も考えないだろう。
「なんであんたにそんなことが分かるんだよ。あんた何者だ。」
「私はこの身体を借りてあなたと話しているんです。つまり憑依です。体の主は私の先祖でして、記憶の全てを共有したことで信じてもらったんです。名前は後で私ーつまり憑依している私が消滅したら聞いてください。」
「それで?その話をどうやって信じろって言うんだ。」
そういった横島であったが、目の前に差し出されたものを見て、驚愕した。
「これを見せれば信じてもらえるだろうととある魔族の娘から預かってきたんです。」
男が手にしていたもの。それは蛍の形をした光る霊基片。ルシオラの霊基片であった。
「・・・分かった。信じよう。それで?どうすればいいんだ?」
短い沈黙の後、横島が言った。
「横島さんが霊能力を身に付けるきっかけとなったところまで遡っていき、確実に防げるようにします。移動する手段は時空消滅内服液の改良したものを使います。私は未来の横島さんの遺品、文珠を使います。あとはこの先祖と横島さんに任せます。」
「分かったよ。他にはなんかあるか?」
「移動する際、あなたの信頼できる人物を同行してもらいたいのです。一人よりも二人のほうが失敗するリスクは少なくなります。ただし同行させられるのは一人だけです。」
「一人だけ連れていけるのか?しかし誰を連れていけばいいんだ?」
「それは横島さんにお任せします。それでは憑依を解きます。あとをよろしくお願いします。」
男はそういい、緑色の光に包まれ、霊体らしきものが抜けていった。
数秒後、男が再び目を開けた。
「と、いうわけだからよろしくな。横島。」
「あ、そーいえばまだ名前言ってなかったな。おれ深本 圭羅門(ケラト)っていうんだ。よろしくな。」
横島が盛大にズッコケた。
「なんちゅー名前だ?圭羅門って。恐竜みてーな名前だな。」
「近所の連中にも恐竜みてーだってよく言われたからな。ついたあだ名がトリケラだからな。」
「どーいう親を持ったんだ。お前は。」
ツッこみどころ満載の名前であるが、本人はあまり自覚していないようである。
「まぁ〜機会があれば改名しよ〜か宦官得てるが、とりあえず呼ぶときは苗字かケラトって言ってくれ。」
「へいへい。それよりも誰を連れていけばいんだろうなぁ〜。」
そんなやりとりをしているとまたしても扉をノックする音が聞こえた。
「へ〜い。」
そう言って扉を開けた先にいたのはは横島のバイトの同僚であるおキヌちゃんであった。
「今晩は横島さん。食事を作りに来たんですけれど、いいですか?」
どうやらまた食事を作りに来たようである。
「どうぞ。俺なら構わんぜ。」
ケラトがそう横島に告げた。
「上がって。今来客中だけど構わないってさ。」
「それじゃあお邪魔しますね。」
そういうとおキヌは横島の部屋に入った。
おキヌが部屋に入ると、見かけない男がいた。どうやらこの男が来客らしい。
「どうも今晩は。俺深本ケラトってんだ。よろしくな。」
と話しかけてきた。
「今晩は深本さん。私はおキヌ、氷室キヌといいます。よろしくお願いします。御用の途中ですみません。」
「別にもう用は済ませたし、話も終わったから問題ないぜ。」
ケラトはそういうと、自分の持ってきた荷物をガサゴソと確認し始めた。
「材料はたくさん買ってきましたから、3人分は足りますね。すぐに作ります。」
「いつも悪いね〜。おキヌちゃん。」
横島はそういうと部屋を片付け始めた。

「うまい?いつもながらおキヌちゃんの料理は格別や〜?」
「まだたくさんありますからお代わりしてくださいね。」
「確かにうまいな。」
3人は食事はしばらく食事を堪能していると、
「ところで横島さんと深本さんは、何の話をしていたんですか?」
横島の表情が少し険しくなった。
だが、自分の信頼できる人物を連れていけるということを考えて、やがて話し始めた。
30年後のこと、横島がどうなるのかを。
「そうだったんですか。それなら私を連れて行ってください。横島さん。」
「でも危険すぎる。俺ででさえ数々の戦いを生き延びられたのが奇跡だったんだ。そんな危険におキヌちゃんを連れていくわけには・・」
「危険なのはよく分かっています。でももう横島さんにつらい思いをしてほしくないんです。私、ルシオラさんの時も何もできませんでした。何もしないで見ているのが嫌なんです。」
横島の言葉を遮っておキヌが言った。
横島はおキヌの言葉に驚き、言葉を失った。
思ってみれば、彼女は横島がルシオラを失った直後、横島を慰めてくれ、一緒にルシオラを救う方法を考えてくれたのである。
「私も一緒に行きます。横島さんと一緒に戦います。」
「・・・分かった。俺からも頼むよ。一緒に来てくれ。」
「はい?」
こうして連れていくのはおキヌと決まった。

「一応聞くが、荷物はそれで大丈夫か?」
ケラトが聞いてきた。
「過去へ行くのに、荷物を持って行けるとは初めて聞くぞ。」
ケラトはナップザックのようなものを引っ提げていた。
「まぁ、大半のものは持っていけないんだが、運が良ければ持って行けるものもあるかもしれないぜ。」
結果、ケラトも何も考えていなかった。
「よし。行くか。」
横島・おキヌの二人は時空消滅内服液の改良版を飲み、ケラトは文珠を作動させた。
三人の姿が光に包まれ次の瞬間消えていた。
こうして横島たちは過去の世界へと旅立っていった。

つづく

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