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「〜お隣さん家のサクラ“君”は、暗殺者〜(性格改変、TS、ネタ)」
(第0部)[1/1]

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「今日で卒業、か……」

見上げる空には雲一つない。
満天のスカイブルー。
まったく、狙ったかのような天気じゃないか、神様よ。

そう心中で思いつつ、視線は再び前を向く。
周りには晴れてアカデミーを卒業し忍者となった少年少女と、それを祝福する保護者たち。
仕事の都合で私の親は来れなかったが、まあいい。
これだけ華やかなら、それだけで気分も盛り上がるというものだ。

……だが、それもどうやら、卒業生限定の話らしい。
ここはこんなに華やかだというのに、一人、離れた所で俯き、どんよりとした雰囲気を醸し出している奴がいる。

うずまきナルト。
何故か里総出でリンチにしている、私と同年代の少年だ。
大人たちはその姿を見て陰口を叩き、子供たちは石を投げる。
……まったく、暗い話だ。

そんな被虐待少年に向かって、しかし、私は話しかけようと歩き出す。
同情したといえばそうだが、一人ぐらい私みたいな奴がいてもいいだろ?

ナルトは、ブランコに座って項垂れていた。

「や。へこんでるじゃん、ナルト」

その言葉に、ナルトは顔を上げる。

「サ、サクラ……」

私の名前を口にしていくナルト。
……しかし、私の理性は次の瞬間に消し飛んでいた。

「……サクラ“ちゃん”……」

「“ちゃん”を付けるなァアアアアアア!!」

「ふぎゃ!?」

私の右拳がナルトの顔面に吸い込まれ、ナルトは悲鳴をあげながら吹き飛んでいく。
……自業自得だ。

私、本名・春野サクラ。
桜色の髪に、女性ものの服装。
アカデミーのクラスでもしっかりくの一クラスだった私は、しかし、ちゃん付けを世界中の何よりも嫌う。

私は――――――男である。



〜お隣さん家のサクラ“君”は、暗殺者〜



翌日。
私の足は、昨日卒業したばかりのアカデミーの教室へと向かっている。
任官し、晴れて忍者の卵、下忍となった卒業生が集められるのだ。

「……ああ、憂鬱だ……」

しかし、私の気持ちは下り続けている。
何故そんな気持ちなのかって?
それはこの、目の前にある教室の扉を開ければわかることだ……。

……ああ、憂鬱だ……。

「皆〜、おはよ……」

扉を開ける。
その向こうにははたして、予想と寸分違わぬ光景があった。

「「「おはよう、サクラ“ちゃん”!!!」」」

「“ちゃん”を付けるなァアアアアアア!!」

春野サクラはモテた。
しかも、“同性”に。

……憂鬱だ……。

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